C2Cビジネスで「個人の時間」というユニークな価値をレコメンド! – 株式会社タイムチケット


株式会社タイムチケット(以下、タイムチケット社)の運営するタイムチケットは、ユーザーが30分単位で、自分の空き時間をチケットにしてシェアできるというユニークなサービスです。「モノ」ではなく「個人の時間」を売るために、シルバーエッグのAIレコメンドがどう役に立っているのか? グローバルウェイラボの室長としてタイムチケットの代表を務められる山本大策様(2018年当時)と、アイジェント・レコメンダーの実装を担当されたエンジニア前島治樹様(同)に、お話を伺いました。

 


 

▼貴社の事業内容についてお聞かせください

山本様:タイムチケットは、さまざまな知識や技術、アイディアなどをもったユーザーの皆さまが、自分の時間を30分単位で自由に売ったり買ったりできる、C2C(Customer to Customer)サービスです。

 

グローバルウェイラボ 室長 山本 大策 様

ここ数年、日本でも働き方の多様化が進み、企業で働きながら副業をしたり、フリーランスで複数の仕事を掛け持ちしたりする人々は増えています。私たちは、そんな自由な働き方に、誰もがもっと気軽に挑戦できるようにしたいと考え、国内でいち早くこのサービスを立ち上げました。

 

タイムチケットの特長は、ユーザーの主体性がより尊重されるサービスだという点です。いわゆるクラウドソーシングのように、買い手のニーズありきで仕事を請け負うタイプのものではありません。スキルやアイディアを持った人が、それをプロアクティブに発信して、必要とする人たちに理解してもらうことで、新たな価値を作り出すのです。この一連の体験にこそ、意義があると思っています。

 

▼サービスの運営で工夫されていることはなんでしょう?

山本様:物販系のC2Cサービスのように「モノ」主体のサービスであれば、写真のインパクトで人をひきつけ、購買意欲を向上させることができます。しかし、タイムチケットは「体験」を売るサービスです。そのユニークな価値は、絵だけでは伝わりません。売り手にとっても、買い手にとっても、その価値をいかに理解してもらい、体験につなげられるかという点がカギになっていると思います。

 

そのため、オンラインのWebサイトやアプリだけでなく、オフラインでのコミュニティサービスにも力を入れています。公認アンバサダー制度を設け成功体験を伝えたり、ユーザー同士が情報交換をして刺激しあえる場を提供したりしています。もちろん、Webサイトでもユーザー体験の向上につながることはなんでもやろうと考えています。レコメンドを含めさまざまな施策を検討し、良いものをサービスに組み込んでいます。

 

▼レコメンデーションシステム導入のきっかけは、何だったのでしょうか?

山本様:サイト開始からしばらくして、「編集部のおすすめ」というかたちで、手作業で選んだアイテムを全ユーザーに提示するサービスを始めました。ただ、1年ほどやってみて、もっとよいやり方があるはずだ、と考えるようになりました。せっかく多種多様な出展があるのに、手作業では数が打てませんし、本当にニーズに合っているかどうか確証も持てません。それに、ユーザーに情報を押し付けるようになってしまってはいけないと思ったからです。

 

大手ECサイトも参考にして、ユーザーがサイトの何を見ているのか、どう反応しているのか、そういったデータに基づいたレコメンドサービスが欲しいな、と思うようになりました。

 

 タイムチケット Topページ
ファーストビューにレコメンドが表示される

 

 

▼アイジェント・レコメンダーを選ばれた理由はなんでしょう?

山本様:数社さんのサービスを調べましたが、決め手となったのは、価格面と導入のしやすさでした。当社のWebサイトに実装するにあたって、どのような仕様となっているのか、また、成果を出すために何が必要なのかが、事前にきちんと説明されており、また質問にも詳細に回答いただけたため、サービスを信頼することができました。

 

実際、事前に思い描いたような設定どおりに動かすためには、導入時の設定作業も必要でした。設定シートの作成など、手のかかる部分もありましたが、実際に動き始めてしまえば、メンテ要らずです。

 

▼運用フェーズでの設定作業はおこなってはいらっしゃらないのですか?

前島様:ロジックを変えたり、こまごまとしたチューニングをしたりといったことはしていません。大きく変更したのは1度だけ、学習データのたまってきた3か月目ぐらいで、御社コンサルタントの提案も参考に、サイト内でレコメンドを表示させる箇所を増やしました。

 

各詳細ページのファーストビューに入れるのはもちろんですが、検索結果や404ページなど、ユーザーの目に入るところには極力レコメンドを出すようにしました。冒頭お話ししたとおり、皆さんの出展している時間の価値を理解してもらうことが第一ですから、なるべく多様なチケットを見てもらう機会を作りたいと思っています。

 

▼結果として、どのような効果が得られたのでしょう?

グローバルウェイラボ エンジニア 前島 治樹 様

前島様:レコメンデーションシステムの稼働から約6か月が経ちましたが、ここ最近の数字で言えば、レコメンド経由でない成約に比べ、1成約あたりの売上単価は約120%向上、コンバージョンレートでは平均で283%の向上という成果を得ています。埋もれがちになっているチケットを掘り起こして、必要とされるお客様に提示できているのではないかと考えています。

 

山本様:やはり少ない人員で動かしていますので、AIに仕事を任せられるのは良かったなと思います。完成度の高いWebマーケティングツールでも、システム的に煩雑な作業が必要となるものは、業務負荷の面で二の足を踏んでしまいます。前述のコミュニティイベントやコア技術の向上など、ほかにも注力したいことはたくさんありますから。その点、業務負荷がかかることなくスムーズな運用が続けられるというのは、アイジェント・レコメンダーの評価できる点だと思います。

 

▼今後の貴社サイトにおける取組について教えてください

山本様:現在、ブロックチェーン技術を利用した非中央集権的なシェアリングエコノミープロトコルの開発にあたり、スイス子会社によるICOを計画中です。このプロトコルを利用したシェアリングエコノミーサービス上では「タイムコイン」という仮想通貨が流通する予定です。個人の時間という価値を共有するために、円やドルといった既存通貨に縛られる必要はないと考えているからです。タイムコインというユニークな共通価値を通じて、世界中の人々がより自由に、かつ簡単に、個人のスキルを利用しあえる、新しいシェアリングエコノミーの創造を目指しています。

 

拡大してゆくシェアリングエコノミーのプラットフォームを効率よく運用していくために、AIには期待しています。現在のAIレコメンドの改善もありますし、別の分野での活用も考えられるでしょう。例えば、お客様からの問い合わせの意味情報を分析して、適切な回答を推薦するシステム。あるいは、お客様向けサービスでなく、社内でサービスを管理する部門に対し、行動情報から何らかの事象を検知し報告するシステムなどです。工夫次第でさまざまなことができると考えていますので、シルバーエッグさんには、今後の提案に期待しています。

 

 


 

■ 取材後記

C2Cという業態で、モノでなくコトを販売するという非常にユニークなビジネスにおいても、行動情報ベースのAIレコメンドサービスがしっかりと成果を出せるということが証明できました。導入した私たちも胸をなでおろしています。先進的なサービス開発を進められるグローバルウェイ様のビジネスを支えるため、シルバーエッグ・テクノロジーもペースを落とすことなく、新たなAIツール開発、既存AIツールのクオリティアップを進めてゆきます。

 

(取材/記:シルバーエッグ・テクノロジー株式会社 園田)

 

■「アイジェント・レコメンダー」とは 

複数のレコメンデーション・アルゴリズムを搭載した、リアルタイムAI(人工知能)マーケティング・プラットフォームです。顧客企業は、利用場面に応じて最適な技術を容易に選択・導入することができ、ABテストによる効果検証も可能です。アルゴリズムは、シルバーエッグ社独自開発のAIをベースにしており、サイトのアクセスや購買状況、各ユーザーの動線を「リアルタイム」に把握・分析し、一人一人の嗜好に合ったおすすめの商品を、瞬時に表示することができます。
また、多機能な管理画面やレポーティングサービスにより費用対効果の検証を行い、売上増大に向けた対策などを、専任コンサルタントが継続的にサポートします。



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