ポスト・コロナの働き方を見据え、より多くの人に、最適な仕事を – 「しゅふJOB」


株式会社ビースタイル メディアの運営する「しゅふJOB」は、主婦・主夫(以下、しゅふと記載)の働き方に特化した求人総合サイトです。「扶養枠調整歓迎」「ブランクOK」「週3日~・10時開始」など、しゅふが働きやすい求人を提供し、求人企業と求職者のニーズのマッチングを行っています。

 

同社はいま、レコメンドエンジンのリニューアルを行い、マッチングの精度向上に取り組んでいます。背景にはどのような課題があったのでしょうか? ビースタイル ホールディングスの國府田嘉昭様と、若林祐紀様にお話を伺いました。

 

【INDEX】

潮目の変わった求人市場
より多くの方々に応募してもらうための施策
AI搭載レコメンドエンジンの導入効果


潮目の変わった求人市場

▼しゅふJOBのサービスについて教えてください

國府田:しゅふJOBは、2010年に全国版の求人媒体としてスタートしました。その名の通り、しゅふの方々に特化した求人や関連情報を取り揃えています。

 

当社ビースタイルは「時代に合わせた価値を、創造する。」という経営理念を掲げています。女性の社会進出などの社会の変化に合わせ、働き方もより多様に変化していると思います。「仕事の都合」に合わせて働き方や習慣を変えるのではなく、しゅふとしての生活を尊重した働き方を提供し、企業と求職者の両方のニーズを満たすサービスとなるよう、心掛けています。

 

▼物販系のEC業界では、ここ数年のコロナショックによる社会の変化で影響を受けた企業が多くありました。人材業界はいかがでしょうか?

國府田:掲載企業側の需要の変化は急速で、コロナ禍が広がった当初は、求人需要も大きく落ち込みました。ところが、2021年の11月頃を境に、その状況が反転しました。業種や職種による違いはありますが、各社競って求人を始め、求人広告のCPC(クリック単価)も上がり出したのです。

 

▼2021年の11月というタイミングで、何があったのでしょうか?

國府田:理由は多々考えられますが、大きなきっかけとなったのは、その年の10月に始まった政府の全国旅行支援だったのかと考えます。それまでは完全に自粛モードだったのが、今後を見越して生活や事業を正常化させていかなければならないというマインドが生まれました。消費者が日常を取り戻していくのなら、企業もその需要に合わせる。それが、観光業、飲食業だけでなく、社会全体に波及していったのかと思います。

 

また、最近は特定の業種や職種において、求人企業と求職者の需給のギャップが、より顕著になってきているかと思います。具体的には、飲食、家事代行、未経験介護・保育といった業種で、しゅふの皆さんに対する就業の期待感が高まっている一方、まだまだ応募が不足しています。

 

人材業界は、いかにサイトに集客するかと、いかに求人をマッチングするかの2本がキモです。特定業界で発生した人材需給ギャップを解消していくのも、我々のミッションです。

 

しゅふJOB トップページ

しゅふJOB トップページには、エリア・職種等のほか「在宅」等のキーワードから検索する機能も

 

より多くの方々に応募してもらうための施策

▼求人企業数、求人掲載数は増えている中で、その期待に応えるための応募数を増やすというテーマに対して、しゅふJOBはどう対応してきたのでしょう?

若林:集客、マッチング精度、UI/UX改善の3本の施策を並行してすすめました。集客面では、最新の市況感を踏まえつつ広告投資をコロナ禍前以上に強化しています。マッチング精度においては、レコメンドのリニューアルなどによる改善をしています。UI/UXについては、ABテストツールを使ったグロースハックや、収集していたユーザーインサイトを基にニーズの高い機能を開発・強化するなどして、全体的な応募率/応募数の改善を図っています。

 

國府田:しゅふJOBはかねてより、競合各社に比べ応募者の質、つまり採用率が高いという評価をいただいています。それは、しっかりと吟味した上で応募先を選ぶというしゅふの特性も大きいのですが、求職者だけでなく求人企業のニーズにも沿った応募フォームの作り込みなどによる影響も大きいです。この強みも引き継ぎつつ、求職者、求人企業双方の満足度を上げるための改善を積み重ねています。

 

特に、現在は需要が供給を上回っている時期です。企業が投入する求人費用も伸びていますが、コストをかけても得られる人材が今までと同じでは、企業側のニーズには応えることができません。私たちもその分エンジニアリングの工数や費用を上積みし、今まで以上に質の高いマッチングを実現しようと取り組んでいます。

 

▼マッチング精度の課題について、詳しく教えてください

國府田:独自開発のレコメンドシステムを経由した応募数が、数年前と比較して徐々に下がってきていました。求人・求職の世界は一種の生態系のような複雑な循環があり、職種や雇用形態のバランスがその時々で変化していきます。その生態系が近年事業成長の要因も含めて急速に変化しており、職種とエリアを基本としたルールベースのレコメンドロジックがついてこられなくなったのではないかと思っています。たとえば、雇用形態が正社員の案件は、エリアで縛ってしまうと良いものがレコメンドできない、といった具合です。

 

また、求職者の見ているWebページやメールごとに、レコメンドシナリオを細かくカスタマイズする既存のやり方では、工数がどんどん積みあがってしまいます。機動的な改善ができるような仕組みが必要となりました。そこで、レコメンドエンジンを思い切ってシルバーエッグ・テクノロジーの「アイジェント・レコメンダー」に切り替えました。

 

AI搭載レコメンドエンジンの導入効果

▼シルバーエッグのアイジェント・レコメンダーのどこを評価されましたか?

若林:エリアと職種という一部の情報ではなく、AIが常にユーザー全体の行動トレンドを追い続けることで、変化にも素早く、柔軟に対応したレコメンドができると判断しました。マッチングに関する開発工数をその他の改善に配分しつつ、今後も想定される職種や雇用形態の変化に素早く対応し続けることができます。仕様耐久性の最大化が実現できると考えました。

 

國府田:導入にあたっては、レコメンド以外の機能も含む統合型マーケティングツールと比較しましたが、今回優先すべきKPIはマッチングの精度、そして応募数の向上です。レコメンドに特化した製品を選びました。その中でも、アイジェント・レコメンダーはロジック実行にあたり参照するデータの期間、リアルタイム性、複数ロジックの組み合わせなど、他社ツールに比べ最もコストパフォーマンスが優れていました。また、同業他社での実績の豊富さも、選定のポイントです。実績を踏まえた改善提案に期待をしていました。

 

▼導入に関して、苦労した点はありましたか?

若林:これまで自社製の使い慣れたレコメンドシステムを使っていましたから、エンジニアリングの視点では新システムでもああしたい、こうしたいという要望が多く、そのすり合わせに時間がかかりました。最初のレコメンドシナリオの可動まで4か月ほどかかっています。

 

國府田:導入にあたっては、Google Tag Managerが利用できればWebページごとにクエリを書く労力が減るので、この機能には期待しています。

 

▼アイジェント・レコメンダーによって、どのような効果が得られたでしょうか?

若林:現状「求人詳細」ページでレコメンド求人を提案するシナリオと、「応募完了」ページでレコメンド求人を提案するためのシナリオの2本がリニューアルできました。既にこの二つのシナリオで大きく応募数の増加させることができました。今後はは、メールマガジンでもレコメンドのリニューアルを行い、更に応募数を増やしていきます。

 

國府田:仕様面では、オプション機能を評価しています。例えば、「ランキング補填」機能のカスタマイズです。レコメンド枠内に人気求人案件のランキング上位を表示する機能ですが、求人サイトではECのように全国一律のランキングを表示しては意味がありません。シルバーエッグのエンジンは、求職者の行動履歴に基づいたエリアごとのランキングを出すカスタマイズが容易にできたので助かりました。

 

アイジェント・レコメンダーには、製品資料には掲載されていないが、リクエストに応じて対応可能なカスタマイズ機能が多いと思います。もっとアピールしてほしいですね。

 

▼今後、しゅふJOBがレコメンドに期待することについて教えてください

若林:今後はアプリへの展開を見据えて、現在主要シナリオで走っているレコメンドロジックの評価と改善を行っていきます。シルバーエッグのレコメンドには、レコメンドロジックの改善だけでなく、新機能の開発もお願いしたいです。たとえば特定のレコメンドをユーザーが除外するといった、インタラクティビティがあればうれしいですね。

 

國府田:私たちのサービスは、物販で例えるなら総合百貨店ではなくニーズ特化型の専門店です。レコメンドロジックも、しゅふの特性にあわせて、よりカスタマイズしたものにしていきたいと考えています。中でも、ECで言う「ロングテール商品」のような、埋もれがちな求人案件を目立たせ、適切なマッチングをさせる方法は重要です。求職者さんが、自分に合った仕事と出会える機会を最大化するために、レコメンドエンジンの活用を広げていきたいです。

 

 

(取材 / 編集:園田 真悟)

・本Webページに掲載されている商品またはサービスなどの名称は、各社の商標または登録商標です。

 



シルバーエッグ・テクノロジーの最新のニュースや導入事例等は、メールマガジンでもご紹介しております。

メールマガジンの配信をご希望の方は、下記お問合せフォームよりご連絡下さい。

また、製品に関するお問合せや導入のご相談は、下記お問合せフォームおよびお電話にて承っております。

お問合せはこちらから

導入事例一覧

このページの先頭へ