メール施策の効果測定で確認するべき指標とPDCAのポイント
顧客にメールを配信した後、どのような反応があったか確認していますか?
ECサイトは、購入内容の確認や発送などの重要な連絡を基本的にメールで行うため、メールは顧客とのもっとも基本的なタッチポイントです。
メールの効果測定からは、マーケティングの戦略を立てるうえで重要なインサイトが得られることも少なくありません。さらにPDCAを繰り返すことで、顧客の維持や見込客の育成など、実際の顧客の態度やアクションを改善することもできます。
【INDEX】
・メール施策の効果測定で見落としてはいけない4つの指標
1. コンバージョン率
2. エラー率
3. オプトアウト率
・アイジェントのオプション機能「レコガゾウ」で確認できる指標について
メール施策の効果測定で見落としてはいけない4つの指標
本記事では、メールマーケティングにおける重要な指標やそれぞれの改善策について解説していきます。
メールマーケティングの効果を改善するためには、下記に挙げる指標について確認し全てに対して対策を行っていく必要があります。
1. コンバージョン率
コンバージョン率は、配信数のうち、商品の購入やフォームからの登録など、Webサイトごとに定義された「コンバージョン行動」に至った人数の割合を示します。
一般的にコンバージョン率はクリック率の1/10程度と言われていますが、業種や業態ごとに異なります。常に数値を追ってPDCAを回していくことが重要です(数値の定義や測定方法はツールによって異なるので、確認する必要があります)。
コンバージョン率が上がらないとき、下記4つを見直してみましょう。
1-1. 到達率
1-2. メール開封率
1-3. コンテンツのURLクリック率
1-4. クリック後のコンバージョン率
1-1 到達率
配信したメールのうちどのくらいが受信ボックスへ届いたかを表す指標です。
企業が一斉配信するメールは、その内容に関わらず、ISP(インターネット・サービス・プロバイダー)によってスパム扱いされている場合があります。到達率を改善するには、ISPからの評価を高め、迷惑メール扱いされないことが重要です。
下記について対応し、到達率95パーセント以上を目指して運用しましょう。
・メールアドレスの認証
送信ドメイン認証を行うことにより、メールの送信者がそのドメインを所有していて、信頼できるメール送信者であることを、ISPに証明しましょう。
・送信先リストのメンテナンス
送信先リストは定期的に見直しを行い、メンテナンスを行いましょう。
存在しないメールアドレス宛の配信を繰り返しているとISPがスパムと判断することがあります。送信できなかったメールアドレスはリストから削除しましょう。
・送信先は同意を得たユーザーに限定する(オプトイン)
収集したメールアドレスを配信先として登録する際には、メルマガや情報を伝えるメール送信を希望するか否かを確認し同意を得るようにしましょう。
オプトインを得ていないと迷惑メールとして報告され、送信元IPアドレスの評価が悪化する可能性があります。
・配信停止/退会をしやすくする(オプトアウト)
受信者が必要ないメルマガであると判断したとき、すぐに配信停止/退会をできるようにしておきましょう。
例えば、メール本文の最後に「退会希望はこちら」など、退会手続き用のリンクを分かりやすく設置しておくなどが方法として挙げられます。
必要としていないユーザーにメールを送り続けることは開封率の悪化につながります。退会の手続きが面倒だと、受信者が悪意のないメールとわかっていても迷惑メールとして報告されてしまう可能性があります。
・独自ドメインメールアドレス
メール配信に利用するアドレスは会社またはオリジナルドメインを使用しましょう。GmailやYahoo、Outlook.comなどの一般的なISPメールアドレスを使用することで迷惑メールフォルダに入る確率が高くなったり、受信自体をサーバーで拒否されることがあります。その場合到達率も下がることになります。
1-2 メール開封率
開封率は、配信者数のうちメールを開封した読者数の割合を指します。
目安として、メルマガの開封率は10パーセント前後と言われています。
ユーザーは主に件名や差し出人を見て開封するかどうかを判断していますので、開封率が低い場合は、下記のポイントを見直してみてください。
・件名
メーラーでは15文字程度しか表示されず、あまりに長い件名は途中で切れてしまいます。
インパクトのある数字を使ったり、ポイントとなるキーワードを前に持ってくるなど工夫しましょう。
・差出人名 ※BtoBの場合
担当者の個人名の方が、開封されやすいという調査結果があります。
配信者名は、山田太郎【シルバーエッグ・テクノロジー株式会社】のようにしてみましょう。面識がなく、知らない名前だったとしても目に止まりやすいようです。
・配信先セグメント
配信先はメールの内容にマッチするセグメントを指定しましょう。
例えば、【レディースアイテム特集】のようなものを配信するのであれば、これまでレディースアイテムを購入したことのあるユーザーセグメントを対象にメールを配信すると、関心のないユーザーからの離反を抑え、コンバージョンを高めることができます。
ただし、ユーザー属性や単一の行動に基づくセグメント設定が、常に正しいとは限りません。より精度の高いターゲティングを実現するには、顧客行動を動的に分析する必要があります。
・配信タイミング
BtoB、BtoCなど、商材や対象ユーザー層によって異なるため、最適化をするために配信タイミングのテストを実施する必要があります。一般的には、BtoCユーザーは20〜21時台にメルマガを読むことが多いようです。
1-3 コンテンツのURLクリック率
クリック率は、配信者数のうち、メールに記載されているリンクをクリックした数の割合です(定義や測定方法はツールごとに異なることがあるので、確認する必要があります)。
一般的にメール内URLのクリック率は、開封数の1/10程度と言われていますが、これも業種などによって異なります。
常に数値を注視してください。最近送信したメールのクリック率に下降傾向が見られる、あるいは低く停滞していると感じられるのなら、下記を見直してみてはいかがでしょうか。
・メール本文のレイアウト
メールを開封した際に表示される部分(ファーストビュー)に、伝えたい情報を掲載しシンプルに仕上げましょう。
画像を活用し、5秒程度で内容が把握できるようなレイアウトを心がけましょう。。
・メール本文の文章量
メールに掲載される文字数が多すぎると、ユーザーは読むのに飽きてしまい、URLをクリックされる可能性も低くなります。できるだけシンプルな内容に仕上げましょう。
コンテンツもあまりたくさん盛り込まず、伝えたいコンテンツのみに絞った方が、クリック率は高くなります。
1-4 クリックからのコンバージョン率
クリック後のコンバージョン率です。
この割合が低い場合は、ランディングページのコンテンツ・デザインが適切かの見直しを行いましょう。サイトトップからの回遊と異なり、メールから直接ランディングした場合に、コンテンツに違和感がないか、また、どうアクションすれば分からなくなるようなデザインとなっていかを確認しましょう。
最悪のケースとしては、ランディングページのURLが間違っていたり、表示エラーになっている場合も考えられます。チェックフローを整備し、メールとWebの双方で抜け漏れのない運用を心がけましょう。
2. エラー率
配信者数のうち、メールが何かしらの理由で届かなかった読者数の割合です。
平均的なエラーメール率は1.5〜3パーセントと言われています。
エラーをそのままにしておくと、自社のIPアドレスの評価が下がり到達率に影響します。エラー率が10パーセント以上になる場合は、リストの見直しを行うなどして対処しましょう。
エラーになる原因としては下記のようなものが考えられます。
・メールアドレスが存在しない
メール受信者のメールアドレスが間違っている、または存在しないため有効でない状態です。
・スパムメールと判定された
スパムメールと判定されたことにより、配信できなかったと推測される状態です。明らかに迷惑メールによく使われているようなキーワードを使うことや、多すぎる記号などは使わないようにしましょう。
(例)
・~~限定!!!!
・~~に効果あり!!!!!?????
・受信者側のメールボックスの容量が許容量を超えている
メールアドレスは存在するが、受信者のメールボックスが一杯な状態です。現代ではあまり起こらなくなりつつある事象ですが、顧客にDX率の低い中小企業が多かったり、比較的高齢な消費者が多い場合は、利用しているメールサーバーやサービスの設定が古いままのことがあり、この可能性も考慮すべきです。
・メールサイズを超過している
配信するメールコンテンツのサイズが大きすぎるために、配信エラーとなっている状態です。ISPでは20MBで制限としている場合が見受けられます。また、ITに保守的な企業だと5MBで制限している場合もあります。
3. オプトアウト率(解約率)
オプトアウト率とは、メルマガの購読が解約された割合です。解約数を配信数で割ると計算できます。
業種によって異なりますが、一般的には平均0.5~1パーセントほどと言われています。
メルマガが解約されてしまう状況としては、下記のようなものが考えられます。
・受信者が期待していた内容と配信されたコンテンツに差がある
対処:配信対象のセグメントを見直し、適切な層へ情報が到達するように工夫しましょう。
・コンテンツに興味がない/なくなった
対処:提供しているコンテンツ内容の見直しをしましょう。自社商品の紹介ばかりだと、ユーザーは「押し売り」と感じてしまうかもしれません。受信者にとって有益な情報かを第一に考え、ユーザーの関心や行動に合わせてコンテンツの改善を行いましょう。
「アイジェント・レコガゾウ」で確認できる指標について
ここまで、メールマーケティングを行う際に気をつけるべき指標についてお伝えしてきました。
最後に、シルバーエッグ・テクノロジーが提供しているリアルタイム・レコメンドメールサービス「アイジェント・レコガゾウ」についてご紹介します。
「アイジェント・レコガゾウ」は、受信するお客様一人ひとりにパーソナライズされたメールを送ることができますが、その効果も測定することができます。
また、次の効果指標を確認することができます。
・クリック率: 開封に対する、レコメンド画像のクリックの割合
・コンバージョン率: レコメンド画像のクリックに対する、以下の3種類のコンバージョン割合
– メールでクリックされたアイテムのコンバージョン(クリック流入セッション内)
– クリック流入によって生じたセッション内のすべてのコンバージョン
– クリック流入後翌日までのすべてのコンバージョン
レコメンドのアルゴリズムや表示テンプレートによって、クリック流入の効果(クリック率)や、直接的なコンバージョン効果(クリックアイテムのコンバージョン率)、間接的なコンバージョン効果(翌日までの全コンバージョン率)が異なります。
各メール施策の目的に応じて、効果状況を確認して、アルゴリズムと表示テンプレートの選択と最適化を行いましょう。
レコガゾウでは受信者一人ひとりにパーソナライズした内容のアイテムや記事等のコンテンツを画像を用いて訴求することができます。(※シルバーエッグ・テクノロジーの特許取得技術です)
詳細は「アイジェント・レコガゾウ」サービスページでもご覧いただけます。
また、サービス概要資料ではより詳しい効果や活用例も解説しています。