「コーディネートフォト」をレコメンドエンジンでパーソナライズ! 滞在時間と顧客ロイヤリティを上げる新手法


 

スタイリストやスタッフの投稿した商品のコーディネートフォトを掲載し、ユーザーの購買意欲を向上させるコンテンツマーケティングの手法が、アパレル系ECサイトを中心に多く用いられるようになってきました。ユーザーだけでなく、スタッフのモチベーション向上にもつながるこの手法は、他の業界にも波及してきています。

 

この手法は、単にコーディネートフォトを集積すればよい、というものではありません。成功のカギとなるのは「パーソナライゼーション」です。ファッションを“自分ごと”として感じ、楽しんでもらえるために、シルバーエッグ・テクノロジーのレコメンドエンジンが効果を発揮します。今回はその方法を解説します。

 

【INDEX】

・コーディネートコンテンツの意義とは?
・AIレコメンドエンジンによる、コーディネートコンテンツの効果の最大化
・アパレルだけじゃない! 活用の広がるコーディネートレコメンド
・コーディネートレコメンドに必要なツールと費用
・まとめ:AIによるレコメンドで、ブランド文化の醸成を加速する


 

コーディネートコンテンツの意義とは?

コーディネートコンテンツがもたらす効果

コンテンツマーケティングの一環として、blogなどで製品のコーディネートや活用法を紹介する施策は、比較的古くから行われてきました。『スタッフスタート』のような専門サービスの登場もあり、販売員が自らのコーディネートをサイトに投稿するコンテンツが増えています。

 

このサービスは、さまざまなサイトで高い効果を示しています。スタッフによるコーディネートコンテンツは、ECユーザーにとって以下のような効果をもたらし、購買意欲の向上をサポートします。

 

1. 気になっているアイテム(服)が、自分に似合っているのか、どう着こなせばいいのか、気づきを与えてくれる

2. 新しいコーディネートやスタイリングの発見で、服を着こなすモチベーションを高める

3. 店舗のスタッフという“身近なプロフェッショナル”の作った、一種安心感のあるコーディネートを自分のものにできる

 

商品をパーソナルなものに変えてゆく

上記に上げた3点の効果をまとめるなら、コーディネートコンテンツはファッションを“自分ごと”として考えるための材料となっていると言えるでしょう。

 

「服は人なり」という言葉がありますが、コーディネートコンテンツは、購入した服を自分らしく着こなすための想像力を補強し、“ファッションを楽しみたい”というマインドを、ユーザーの心に植え付けることができます。

 

言い換えれば、“自分ごと”として受け入れられるスタイルが発見できなければ、コーディネートコンテンツは効果を発揮しません。プロのモデルでなくショップの店員のコーディネートが受け入れられているのも、このためです。

 

簡易スタジオで写真を撮る人々

ユーザーがスタイリングを自分ごととして楽しめる写真がポイント

 

AIレコメンドエンジンによる、コーディネートコンテンツの効果の最大化

ユーザーを飽きさせないコーディネート提案を実現する

ユーザーは気に入った商品に関連するコーディネートコンテンツを次から次へとクリックし、時には本来の商品のコーディネートから離れて、自分なりの服の組み合わせを見つけ、その過程を“経験”として楽しみます。

 

しかし、問題はユーザーの“飽き”です。単に時系列で並んでいるだけのコーディネートアイテムを見ているだけでは、ユーザーが「面白い」と思えるコーディネートに巡り合える可能性は低いままです。

 

クリックが発生するごとに、多いときで数十パーセントも離脱が発生するECビジネスの世界では、短いクリック数のあいだに、いかにユーザーが「面白い」と思えるコンテンツを提案できるかがカギとなります。

 

AIレコメンドによるコーディネートの“発見”

そのために、「次に見るべきアイテム」をAIレコメンドエンジンでパーソナライズすることで、自分の好みと一致するコーディネートを発見しやすくなり、ユーザーの滞在時間を伸ばしてゆくことができます。これは、TikTokのコンテンツフィードが単純なタイムラインではなく、レコメンドエンジンでパーソナライズされているのと同様の発想です。

 

AIレコメンドエンジンは、多様なユーザーがどんなコーディネートコンテンツを見てきたかを学習し、関連度の高いコーディネートをレコメンドします。「ある商品が含まれるコーディネート」や、「特定のショップ店員の提案するコーディネート」といった、カテゴリ検索機能では実現できない、ユーザー視点で「なんとなく趣味の一致するコーディネート」を関連付けた提案が可能になります。

 

コーディネートコンテンツのレコメンドのさまざまな効果

AIレコメンドによって自分好みのコーディネートやスタイリングが容易に見つかれば、前述のようにユーザーはコンテンツをより楽しめるようになり、サイト滞在は伸びてゆきます。また、カテゴリ検索では引っかからなかったコーディネートが発見できるようになり、商品への関心が高まります。

 

AIレコメンド機能を付加したコーディネートコンテンツの更なる効果は、ユーザーのリピート率の向上です。好みのコーディネートが発見できるという感動は、“楽しい”という感覚を補強します。ユーザーが気軽にサイトを訪問し、コーディネートコンテンツを楽しむようになれば、顧客ロイヤルティはおのずと高まり、LTV向上に寄与できるでしょう。

 

コーディネートの写真をスマホに収める

AIレコメンドで「これだ!」と思えるスタイリングとの出会いを作る

 

アパレルだけじゃない! 活用の広がるコーディネートレコメンド

コーディネートレコメンドで効果を得られそうな業種・業界

アパレル系のネットショップでは、コーディネートコンテンツを作成しているところが多く、コーディネートをレコメンドする重要性も増しています。ただ、効果が得られるのはファッション業界だけではありません。

 

たとえば、家具・インテリアのECサイトでも、商品のコーディネートによってライフスタイルを提案しようという取り組みが活発化してきています。家具はファッション以上に、購入前の情報収集が重要になります。テイストの似通ったコーディネート例を次々とレコメンドすることで、ユーザーは家具の組み合わせをより深く学ぶことができ、併せ買いも発生しやすくなります。

 

ほかにも、複数の商品を使ってメイクのレシピを提案するコスメ販売サイトや、食材を組み合わせた料理を紹介するネットスーパー、意外なところではテーマに沿った複数の書籍を組み合わせて紹介するネット書店・マンガ配信サイトのキュレーションコンテンツでも、コーディネートレコメンドの活用はできるのではないでしょうか?

 

コーディネートレコメンドに必要なツールと費用

アイジェント・レコメンダーでコーディネートコンテンツのレコメンドを実現するには?

自社サイト内でコーディネートコンテンツのレコメンドを表示するためには、商品のレコメンドと同じように、コーディネートコンテンツのデータをアイジェント側にフィードする必要があります。実現の方法はいくつかあり、ECシステム側の改修が必要となる場合も多いです。価格についても、シルバーエッグ・テクノロジー、ECシステムベンダーで見積を取る必要があります。

 

そこでおすすめなのが、既存のEC用コンテンツマーケティングツールとの連携です。アイジェント・レコメンダーには、株式会社バニッシュ・スタンダードの提供する『スタッフスタート』との連携オプションがあります。導入費用が固定となり、ぐっと導入しやすくなります。

 

なお、大前提となりますが、コーディネートコンテンツを持つECサイトでアイジェント・レコメンダー契約をいただいている必要があります。商品のレコメンドと併せて、コーディネートのレコメンドもご利用ください。また、EC用途ではない情報サービスサイトなどでは、コンテンツに絞ったレコメンド運用も可能です。

 

まとめ

AIによるレコメンドで、ブランド文化の醸成を加速する

これまで、レコメンドエンジンといえば「あなたへのおすすめ」という表示で、商品を提案するというものでした。しかし、AI技術を用いたレコメンドエンジンの可能性は広がりつつあります。コーディネートフォトのようなユニークなコンテンツをパーソナライズして提案することで、単に売上向上だけでない、CXの質的向上効果が実現できます。

 

スタッフによるコーディネートコンテンツは、売り手と買い手のコミュニケーションを増進し、ブランドの文化を作り出してゆく基盤となるでしょう。AIレコメンドは、この文化の醸成を加速させるツールとして活用できます。

 

 

(取材 / 編集:園田 真悟)

・本Webページに掲載されているその他の商品またはサービスなどの名称は、各社の商標または登録商標です。

 



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