Web接客+レコメンドで「欲しい時に、欲しいものが飛び込んでくる」サイトを作ろう!
ECサイトで商品を買おうとしていると、突然画面の端に現れる小さなポップアップ・メッセージ。その内容は、商品の紹介だったり、値引きクーポンだったり、発注の仕方のヘルプだったりとさまざまです。
この「サイト内ポップアップ」の仕組みは、単なるメッセージウインドウではありません。Webサイトを訪問したユーザーの属性や状況に応じて効果的なメッセージを出し分け、実店舗のスタッフの顧客応対と同様のコミュニケーションを実現する「Web接客ツール」の、重要なエンゲージメントポイントなのです。
シルバーエッグ・テクノロジーの「アイジェント・レコメンダー」は、このサイト内ポップアップ機能を介してパーソナライズしたレコメンドを提示するオプション機能を備えています。AIレコメンドとポップアップを組み合わせることで、どのような効果が得られるのでしょうか? シルバーエッグ・テクノロジー セールス部 部長 清水 洋明に語ってもらいました。
サイト内ポップアップのメリットとは?
▼サイト内ポップアップによるメッセージ表示は、多くのサイトで見られる機能です。どのような効果を得られるのでしょうか?
サイト内ポップアップ機能はさまざまな目的で用いることができますが、得られる主な効果は、ユーザーの離脱防止と購買意欲の向上です。
ユーザー離脱防止のための利用例としては、サイト会員登録などの支援用途があります。会員登録のプロセスは長くなりがちです。特にユーザーが入力内容や選択肢を迷いがちな画面にポップアップを設定し、一定時間が経過するとFAQへのリンクなどが現れるようにすることで、ユーザーの入力作業をサポートすることができます。
購買意欲増進の活用例としては、ユーザーのサイト再訪時のクーポン提示が挙げられます。サイトで商品を購入したユーザーが再訪するということは、そのサイトでまだ気になるものがあるということです。そこで、再訪時にクーポンを提示し、スペシャル感を演出して購買を後押しすることができます。
どちらの例も、ユーザーの行動を予測して、どこで、どんなポップアップを表示させるかシナリオを組むことで、離脱防止や転換率の向上を実現しています。また、サイトのページ構造を変えずに、情報を追加できることも大きなメリットです。特にWeb接客ツールの専門ベンダーが提供しているサイト内ポップアップ機能は、高度な顧客分析機能やシナリオ構築機能を持っていますから、より高い効果が期待できるでしょう。
▼ユーザーの行動をもとに情報を表示させるという点では、サイト内ポップアップとレコメンドエンジンは共通した特性があると言えそうです
その通りです。サイト内ポップアップとレコメンドエンジンはパーソナライズされた体験を作るという点で、相乗効果を生みやすいツールです。例えば、先ほどのサイト再訪者向けのポップアップですが、ユーザーセグメントごとに画一的な商品を紹介する代わりに、レコメンドエンジンで選んだ再訪ユーザー1人ひとりの嗜好に合わせた商品を紹介すれば、よりインパクトのある体験になります。
シルバーエッグ・テクノロジーのアイジェント・レコメンダーは、各種のECパッケージや接客ツールと連携し、ポップアップ内にレコメンドアイテムを表示するオプション機能を備え、高度なパーソナライゼーションを実現しています。
パーソナライズされたポップアップの作り方
▼レコメンドエンジンをポップアップツールと連携させるポイントはなんですか?
ポップアップの用途に合わせた、レコメンドアルゴリズムのチューニングです。アイジェントレコメンダーには用途に応じた複数のアルゴリズムのレシピが用意されているため、最適なものを選ぶことができます。
例えば、よくサイト内で見かける「これを見たお客様は、こんなものにも興味を持たれています」というレコメンドには、ユーザーの閲覧行動に基づいた「BB相関」(閲覧-閲覧相関)というレシピが使われています。
一方で、過去に一度買い物をしたユーザーに対して最適なレコメンドを行う「PO相関」(過去購買相関)というレシピもあります。これは前述のユーザー再訪時に使うポップアップと組み合わせると、効果が高いです。
ポップアップの用途によっては、これ以外のレシピが効果を発揮するようなシーンもあるはずです。ポップアップをどんな目的で、どんなシーンで使うかによって、最適なアルゴリズムを選ぶ必要があります。その選定は、当社の無償コンサルタントがお手伝いします。
▼レコメンドを使ったポップアップを実装する手順を教えてください
まず、シルバーエッグ・テクノロジーは、Webポップアップの機能そのものを提供しているわけではないことをご理解ください。ポップアップ機能も、やはり専門のWeb接客ツールベンダーさんのほうが尖ったものを開発していますし、ノウハウもあります。我々はAIの専門家として、彼らと協業してベストオブブリードのサービスを提供しています。
ポップアップツール内に表示するレコメンドアイテムは、サイト本体に実装したアイジェント・レコメンダーの学習データを利用して選出します。実装する場合、当社の提供するAPIをポップアップツールのベンダーさんに組み込んでいただく必要があります。ベンダーさんによっては連携パッケージを提供しているところもあり、弊社からのご紹介が可能です。ポップアップ用レコメンドのチューニングはサイト内レコメンドと同じく弊社にて承ります。
ポップアップレコメンドによるCV改善事例
▼ポップアップレコメンドの効果的な活用方法を教えてください
アパレル系のお客様の事例ですが、商品詳細ページを60%スクロールさせた位置でレコメンド商品をポップアップで表示させたところ、レコメンド経由のコンバージョンが約160%改善したという例があります。
商品詳細ページは、商品写真や細かな仕様、口コミ評価など、情報盛りだくさんとなるため、長くなりがちです。商品を本当に欲しいお客様は最後まできちんと読んでくれますが、「なんとなく欲しい」お客様は、スクロールしていくうちに飽きて離脱してしまいます。そこで、離脱が発生しがちな位置にポップアップを挿入し、別のアイテムへの関心を掻き立てることに成功しました。
また、会員様向けのマイページにポップアップレコメンドを設置するのもよい活用法だと思います。購買金額に基づく会員ランク制度を持つサイトでは、ランクアップ直前のお客様に、もう1点買いやすいアイテムをポップアップさせることができます。このほかにも、誕生日などのイベント日に、自分の好みの商品をポップアップさせるといった、お得意様向けのユーザー体験向上施策が実現できます。
「欲しい時に、欲しいものが飛び込んでくる」サイトを作ろう
▼EC事業者にとって、ポップアップレコメンドを導入する最大の意義は何ですか?
レコメンドエンジンは、CVの向上やLTVの向上といった売上に直接かかわるメリットで語られることが多いですが、実はサイト内でのユーザー導線の改善に対し、非常に大きな効果を発揮します。ユーザーのニーズをリアルタイムで予測し、目的のアイテム(情報)をダイレクトに提示できるからです。
このレコメンド技術を、ユーザーの状況に応じたコミュニケーションを実現するサイト内ポップアップと組み合わせることで、「最速・最短の顧客ナビゲーション」が実現できると思っています。サイトの中でのストレス体験を可能な限り削減し、お客様が必要な時に、必要な商品・情報が手に入るパーソナライズされた体験を実現することが、ポップアップレコメンドの意義だと思っています。
「Web接客 + レコメンド」接客ツール連携機能についての資料はこちらになります。