インターンが聞いてみた! – レコメンドって誰が使うの?ゼロからわかるシルバーエッグ Part 3
シルバーエッグ・テクノロジーの学生インターン、渡邉サラです! マーケティング部の一員として、AIがビジネスでどのように活用されているのか学びながら、実際にビジネスの現場を体感し、刺激を受ける毎日を過ごしています。
『インターンが聞いてみた!』インタビュー第3弾は、シルバーエッグ・テクノロジー セールス部のチームリーダー宍戸広輝さんです。
レコメンドというと、ECサイトでよく見かける印象ですが、実際にはどのようなところで使われているのでしょうか? 今回は、セールスパーソンとしてお客様と接する宍戸さんに、レコメンドサービスの用途や、必要とされる理由などをお話しいただきました。
シルバーエッグの営業って、どんなかんじ?
▼宍戸さんは現在のシルバーエッグ内で一番の若手社員だとうかがったのですが、どのような経緯でシルバーエッグに入社されたんですか?
大学で経営学を学んだのち、新卒で医療系の専門商社に入社し、営業職に就きました。ただ、勤めるうちに、医療業界の枠にとらわれず、もっと多様な業界の方々と話してみたい、一緒に仕事をしてみたいという欲が出てきたんです。そこで、成長領域であり、様々な業界から引き合いのありそうなAI技術に注目し、シルバーエッグへの入社を決めました。
▼医療系商社からIT企業に舵を切ったとは、面白いキャリアですね。シルバーエッグ入社後はどのような仕事をしていますか?
私の所属しているのは、新規営業のチームです。入った頃は会社も上場直後で、ビジネスの転換期でした。営業人員も入れ替わりがあって、人数が少なかった時期もありましたが、私にとっては大きな成長の機会となりましたね。
以前と違い、シルバーエッグでは毎日違う業界の違う人と会って、短い時間で信頼関係を築き、商談を成立させなければなりません。幅広い業界知識と営業スキルが身についたと感じています。
ユーザー目線で生まれたレコメンデーションというサービス
▼営業をする上で難しいと感じることは何ですか?
“レコメンドとはなにか”を知ってもらうきっかけづくりですかね。ネットショップで出てくる「あなたへのおすすめ」と言ってしまえば簡単ですが、その実態が何で、自分のビジネスにどう影響するのか、多くの人は知りません。そこからスタートするので、買っていただくところまでもっていくのは難しいと感じます。
ここ数年でレコメンドの知名度は高まったとは思うんですが、同時に、レコメンドはECサイトのものであるというイメージが強くなりました。確かにECサイトでのレコメンド効果は高いですが、それ以外のサービスでも、レコメンドを導入するメリットはたくさんあります。それぞれきちんと説明して、納得してもらわなければなりません。
▼確かに、“レコメンド”と聞くとECサイトのイメージがあるのですが、他にはどのような業界で使われているのですか?
人材、不動産、旅行、コンテンツ配信などを扱う企業も私たちのサービスを使っていただいています。また、金融サービスや行政サイトにも広がりつつあります。皆さんのイメージよりも幅広く使われているんじゃないでしょうか? これらの事業者の共通点は、“商材やコンテンツが豊富で、ユーザーが多くいる”ということです。
レコメンドは情報が多すぎてユーザーが探しきれない、という問題を解決するために生まれました。選択肢が多いと、それだけ自分の“欲しい”情報にたどり着くのも難しくなってしまいます。こうなるとユーザーは離脱(=サービス利用を中止)してしまうので、一人ひとりに最適な情報を届ける“パーソナライゼーション”とか、“One to Oneマーケティング”という手法が求められます。その具体的な手法が、レコメンドなんです。
ユーザーの趣味趣向はますます多様化しています。当社でも、独自開発のAIをより進化させ、一人ひとりの嗜好に寄り添った質の良いパーソナライゼーションの実現を目指しています。
▼これからもっと幅広い業界で使えそうですね。“パーソナライゼーション”というワードが出てきましたが、良質なパーソナイゼーションというのは、どういうものなんでしょう?
パーソナライゼーション=レコメンドとして考えると、質の良さとは基本的にレコメンドの精度です。ネットショッピング中に自分の趣味に合わない商品をおすすめ表示されても「欲しい!」とはなりませんよね。きちんとパーソナライズされていないと、いつでもどこでも同じようなレコメンドが出るので、押し売り感が出てしまいます。
レコメンドを知らない方に提案すると、よく「ユーザー(顧客)の属性をもとにアイテムをお勧めするんでしょ?」という反応が返ってきます。それも手法としてはありなんですが、良質なやり方かというと、そうでもないんですよね。極端な話、「この人の性別は“女性”だから、ピンクのアイテムを欲しがるに違いない!」と、ピンクグッズを繰り返し見せられたら、腹が立ちませんか?
▼見るのも嫌になるかと……。
それが、質の良くないレコメンドの引き起こす問題です。
シルバーエッグの場合、ユーザー属性に縛られず、一人ひとりの過去の行動に基づいてパーソナライゼーションを行っているので、ユーザーの趣味趣向に合わせた最適な提案ができます。店舗でベテラン店員が、顧客の手に取ったものや見ている棚を察知して商品を差し出すような感じで、WebやAppでも「ちょうど欲しかったものが見つかった」という体験を作り出します。これが、機会損失の削減や売上向上につながっていきます。
最近では、スマートフォンの普及によってサイトの閲覧時間が短かくなったので、いっそう素早く、ユーザーの欲しい情報を推測して提示する必要がでてきました。また、ユーザーに情報を提示するタイミングや手段も重要になってきています。そういった部分も、パーソナライゼーションの質にかかわってくるんじゃないでしょうか。
C to Cビジネスでも活躍、ユーザーと企業をつなぐレコメンドエンジン
▼今後レコメンドサービスを普及させていく中で、注目している業界などはありますか?
C to Cビジネスとコンテンツ配信ですかね。
C to Cビジネスでは、自動車レンタルサービスや、フリマサービスなど、新しいサービスがどんどん出てきています。例えばフリマサービスでは、毎日新しいものが出品されていますよね。バラエティ豊富で、一つひとつオリジナルですから、検索でもなかなか見つけられません。そこで、双方をうまくつなげる有効なツールがレコメンドです。
コンテンツ配信では、ユーザーの趣味嗜好の多様化により、カテゴライズが難しくなっています。例えば、少年マンガを読む女性や少女マンガを読む男性がいるのは今では当たり前ですよね。ただ、これを言葉でカテゴライズするのは難しいです。当社のレコメンドサービスでは、過去のユーザー行動から好みを分析しているので、このように言語化できなくても、悩みを解決できます。
この二つの業界は、比較的新しいサービスであり、レコメンドの実績もまだ少ないので、これから伸びていくと期待しています。
インタビュー後記
宍戸さんとお話しするのは今回が初めてなので緊張していましたが、実際話してみると、物腰柔らかく謙虚な方で親しみやすかったです。年齢も近く、学部も似ているので、就活の相談をしてみたいと思いました。
AIと聞くと無機質な印象を受けますが、だからこそ「人」が担う役割が大きいと感じました。Web上で店舗のような接客を実現するレコメンドサービス、なんだかわくわくしますね。
(取材:シルバーエッグ・テクノロジー株式会社 渡邉サラ・田坂京志郎)
(執筆:シルバーエッグ・テクノロジー株式会社 渡邉サラ)