エンゲージメントを高める「パーソナライズド・メール」の効果とシナリオ
シルバーエッグ・テクノロジーの提供するリアルタイム・レコメンドメールサービス「レコガゾウ」の利用者評価が、いま高まっています。ECサイトの中で使われている「あなたへのおすすめ」機能は、顧客コミュニケーションツールであるEメールにも適用でき、顧客のエンゲージメント向上・F2転換率改善といった新たな効果が得られます。顧客のファン化に苦心しているマーケターにとっては、非常に効果的なツールであると言えるでしょう。
今回は、メール施策でのレコメンド効果に関心のあるマーケターに向けて行われたシルバーエッグのWebinarコンテンツから、レコガゾウの効果、仕組み、活用例をまとめて紹介します。
INDEX
・レコガゾウとは何なのか
・レコガゾウが実現する価値とは?
・企業はどのようにレコガゾウを使っているのか?
・レコガゾウの導入ステップ
・レコガゾウでどうやってエンゲージメントを高め、売上を上げる?
レコガゾウとは何なのか
レコガゾウとは、一言で言えば、メール上でのパーソナライズド・レコメンドを実現するツールです。AIを搭載し、コンバージョン率の向上や併売効果に高い効果を誇っているアイジェント・レコメンダーの機能が、メールマガジンでも利用できるようになりました。
レコガゾウの主な効果は、下記の3点です。
1つ目は、同時配信メールでも受信ユーザーごとに異なる商品を掲載できること。ユーザー1人ひとりの関心に即した商品やコンテンツを、メールを介してプロアクティブに届け、顧客の購買行動を喚起させます。
2つ目は、レコメンドメールのCTR・CVRに関する高い実績です。サイト内で閲覧・購入されるアイテムのトレンドをAIがリアルタイムで学習し続けることで、ユーザーがメールを開いた時点でベストの商品・コンテンツを提案することが可能になっており、このような成果に繋がっています。
3つ目は、レコメンドメール配信時の事前設定がほとんどかからず、運用負荷が少ないことです。HTMLのタグ(画像タグ・リンクタグ)を挿入するだけのツールであるため、ほとんどのメール作成ツールで利用可能です。
レコガゾウが実現する価値とは?
レコガゾウというサービスで、シルバーエッグ・テクノロジーが作り出そうとしている価値とは何か? それは、カスタマージャーニーのポジティブなサイクルを形成することです。
レコメンドを表示する意義とは、行動経済学でいうところの「ナッジ効果」、つまり顧客の購買行動を誘引する効果にあると言えます。ECサイト内での購入体験を経て、商品やブランドにポジティブな関心を持ちはじめた顧客に対して、メールを介してプロアクティブに「次の提案」を行い、顧客に商品やコンテンツへの気づきを与えることで、ECサイトへのエンゲージメントを高め、購入頻度を上げていくことが可能になります。
パンデミックを経て、ECサイトの利用客層は大きく拡大しました。特に増えた高齢ユーザーへの訴求力を考慮すると、SNSやメッセンジャーアプリより、昔ながらのメールほうが、高い効果が得られるとの声も多く寄せられています。見過ごされがちなメールの訴求力を再活性化させ、顧客を次の購買行動へと導いていくことが、レコガゾウのミッションです。
企業はどのようにレコガゾウを使っているのか?
実際のレコガゾウ利用企業は、どのようなレコメンドメールを作成しているのでしょうか? 多くの事例に言えるのは、画像中心のメールレイアウトにしていることです。
HTMLメールの作成は、商品のランディングページ作成に似たところがあります。メールを開いた顧客に対し、ファーストビューのビジュアルで心を捉え、クリックしたくなる気持ちを高めることが重要です。あるワインのECサイトのメールマガジンでは、ファーストビューでクーポン配布のメッセージを置き、その直下に、クーポンで買える商品の中から、ユーザー一人ひとりにおすすめの商品を表示させています。
メールというと、文字によるコミュニケーションが主体になると考えがちですが、実は読者は文より画像に注目します。訴求力の高いビジュアルデザインを、どれだけたくさん、かつ簡単に作れるかが、CTR向上の鍵となります。
レコガゾウによる商品の推薦は、いちど設定してしまえばAIによって自動的に行われるため、メール作成担当者は都度商品を選んで画像を作る手間をかけることなく、HTMLタグを挿入するだけで訴求力の高いメールを作ることができます。
レコガゾウの導入ステップ
このように、顧客とのエンゲージメントを高めるうえで効果を発揮するレコガゾウですが、気になるのは導入や運用にかかる負荷とコストです。ここで、ツール導入の流れを簡潔に紹介しました。
まず理解しなければならないのは、レコガゾウは「メール送信システム」そのものではなく、サイト用のアイジェント・レコメンダーのオプション機能であるということです。企業が既存で使っているメールシステム(MAツールなど含む)に連携させて利用することが出来ます。
レコメンドメールを作るために、既存のメールシステムをリプレイスしたり、専用のメール作成ツールを使ったりする必要はありません。一方で、ECサイトのほうには、アイジェント・レコメンダーを導入するか、専用のユーザー行動トラッキングタグを挿入する必要があります。
上記の仕組みがセットされていれば、レコガゾウの導入に必要なステップはわずか2つです。
1つ目は、メール内に出るレコメンドアイテムの画像生成テンプレートの作成です。レコガゾウは、メール内にする表示するレコメンドアイテムの「画像」を、ユーザーごとにサーバーから出し分ける仕組みになっています。この画像に、商品画像だけでなく、商品名や価格などの補足情報を入れ込むことが出来ます。この画像のレイアウトを設定しなければなりません。
2つ目は、メール本文へのレコメンド用画像HTMLタグ(サイトへのリンク含む)の挿入です。こちらの作業も、メール配信ごとに行うのではなく、あらかじめ各社のメルマガのレイアウトに沿って決めておくのがよいでしょう。
レコガゾウでどうやってエンゲージメントを高め、売上を上げる?
最後に、いくつかの顧客事例から作られたレコガゾウの活用シナリオを紹介します。
シナリオ1:通常のメルマガのトラックに混ぜる形で、定期的に「あなただけのショーケース」をメールで送信する
メール内容に季節の挨拶やイチオシ商品の長い紹介といった情報を記載せず、いきなり、3×4などのグリッド枠の中に、レコメンド商品をずらっと並べるだけのメールをつくり、顧客に商品を選ばせるのです。
この施策は特にアパレル企業など、商品のビジュアルに強い訴求力のある会社で取られ、CTRが通常メールの1.25倍、メール経由の売上が通常の3倍といった成果を出していました。しかし、最近の事例で、実は業界に関係なく効果があるとわかってきました。
どのような業界のメルマガであれ、メール読者の多くは、メールに書かれた文章よりも、掲載された写真に目を奪われます。おすすめの商品画像がすぐに目に入ってくるレイアウトとしたほうが、クリック率、購買率は向上します。文章を読ませるのは、メールをクリックした後の商品詳細ページであればいいわけです。これは、メルマガ作成の工数削減にもつながります。
シナリオ2:「カゴ落ちメール」のレコメンドメール化
カゴ落ちメールとは、何らかの理由でECサイトでの買い物を途中でやめてしまった人に、カートに入ったままになっている商品をリマインドし、購入を促す施策です。
カゴ落ちメールでプッシュされる商品と関連性のある別の商品をいくつかレコメンドすることで、ユーザーに購入を中断していた商品以外のアイテムへの気づきを与え、再び購入を検討してもらえる確度を上げることができます。
このほかにも実店舗の顧客に再来店を促すための使い方や、クーポンメールと組み合わせた使い方など、レコガゾウ活用シナリオは多様です。シルバーエッグのカスタマーサクセスチームにぜひご相談ください。
(文:園田 真悟)