なぜランディングページ(LP)を作るのか?絶対に忘れてはいけない目的と3つの特徴
ランディングページの3つの特徴は何のため?
ポストコロナ時代に向けて、ほとんどの企業がオンラインに力を入れるようになりました。おかげでユーザーの選択肢は増えましたが、いまや同じような商品がネットにあふれています。
そんななか、「ライバルが増え新規訪問者を購入に繋げるのが難しくなった」「良い商品なのに商品詳細ページだけでは魅力が伝えにくい」といった声も聞こえています。
そこで今回は購入の決め手となる商品の魅力を伝えるための「ランディングページ」が果たす役割について考えてみました。
「ランディングページとトップページは何が違うの?」
「何のために作るの?」
といった問いから始めて、ランディングページの制作にあたって絶対に忘れてはいけない目的と、コンバージョンアップに貢献する3つの特徴についてまとめています。
【INDEX】
・ランディングページとは?ホームページとの違いと目的
・どうしてコンバージョンが上がるのか?3つの特徴とコンバージョンの関係
・ランディングページ制作において一番大切なこと
・おわりに
ランディングページとは?ホームページとの違いと目的
ランディングページ(LP: Landing Page)とは、広義には、サイト内でユーザーが一番最初に着地する(land)ページを意味します。
その意味では、トップページもランディングページということができます。
しかし、デジタルマーケティングでは通常、購入や申込みといった明確なゴールを設定し、1ページ内でクロージングまでを行うために特別に作成されたページのことを「ランディングページ」と言います。
ホームページがあるのに、多くのサイトがわざわざランディングページを作るのはなぜでしょう?
その答えは、一言で言えば「コンバージョンが上がる」からです。
ランディングページを活用することで、ECサイトであれば売上げが上がるし、人材サイトやBtoBサイトであれば登録や資料請求の数が増えるからです。
どうしてコンバージョンが上がるのか?3つの特徴とコンバージョンの関係
ではなぜ、ランディングページは他のページよりもコンバージョンが高いのでしょうか?
ランディングページは最初に着地するページなので、訪問した時点でユーザーは必ずしもサイトや商品について知識があるわけではありませんし、そもそも何かを買うつもりでサイトを訪問したとは限りません。
ランディングページが通常のページよりもコンバージョンを上げることができるのは、そのようなユーザーの気持ちを短期間で温め、コンバージョンにたどり着くよう設計されているからです。
一見すると、ランディングページのスタイルは一様ではありません。体験談風やインタビュー形式、アンケート分析ベースの記事や、お役立ちコラム記事風のもの、リッチな写真が多いスペシャルサイト風のものなどさまざまです。
しかしどんなスタイルのランディングページでも、短期間でユーザーコンバージョンに導くためのいくつかの共通点を備えています。
ここではその特徴を次の3つにまとめたいと思います。
・狙い撃ちでターゲットに響くシナリオ
・見せたい/読ませたい情報のみを見せる
・気持ちを盛り上げる演出
こうした特徴は他のページにはないランディングページの特徴といえます。
では、これらの特徴は「コンバージョンを上げる」というランディングページの目的とどのように関わっているのでしょう。
一つ一つ見ていきたいと思います。
狙い撃ちでターゲットに響くシナリオ
ランディングページの特徴として、ペルソナを想定して特定のターゲットのために練られたシナリオとコンテンツを挙げることができます。
自社のブランドや商品の知識がないユーザーを短時間で顧客にするために必要なのは、まずそれがユーザーに必要なもの、自分の課題を解決してくれるものだと認識してもらうことです。
もちろん「業界No. 1」やブランドイメージといった一般的評価も、自社を認知させるという意味では重要です。
しかしランディングページの一番の目的は、集客や認知の拡大ではなく、コンバージョンです。ユーザーにとって興味のない情報を過剰にアピールして離脱されるよりは、訪問者を一人でも多くコンバージョンに繋げることが重要なのです。
次のケースを考えてみてください。
ダイエットをしているが失敗しがちで、体質改善から取り組みたいと考えている人がいるとします。情報を探すうちに、美容サプリメントを扱うECサイトのランディングページにたどり着きました。
この場合、サプリを買うつもりはないのに「売上No. 1」とか「低価格」といった情報を最初から浴びせられたら、「なんだ宣伝か」と辟易するはずです。
これに対して、ダイエットの体質改善にはどんな方法があるか、どのような成分が有効かといった情報を提示しつつ、低価格で容易に体質改善するのに有効なサプリがあることを知ったらどうでしょう。より自然にそのサプリを「買いたい」という気持ちになるはずです。
この方法だと、「体質改善によってダイエットをしたい人」というふうにターゲットは限定されます。
しかし、このように具体的な利用イメージや効果を提示することで、かえってその商品を必要としているユーザーを確実にコンバージョンに導くことができるのです。
読ませたい/見せたい情報のみを見せる
次にUI上の特徴ですが、ランディングページをいろいろ観察すると、多くは他のページへのリンクが極端に少なく、購入や登録を促すCTAボタンが目立つところに設置されていることに気づくはずです。
これは、コンテンツに最後まで集中してもらうための工夫です。
体質改善のサプリを売るためのランディングページで、体質改善の方法を紹介する途中で、関係あるからといってストレッチに関する別のブログページへのリンクを表示したとします。これではせっかく途中まで読んでもらったのに、肝心のサプリの購入検討まで進まないうちにページを離れてしまう可能性があります。
このようなことがないように、ランディングページでは無駄な情報はできるだけ与えず、遷移を促すグローバルメニューなども表示しないようにします。
コンテンツに集中できる構成にすることで、読ませたい/見せたい情報のみを与えてコンバージョンへ繋げます。
気持ちを盛り上げる演出
シナリオやUIの設計だけでなく、キャッチコピーや画像による演出的な効果も重要です。
多くのランディングページは、通常のページよりも画像が大きくて印象的であったり、ライティングやコピーが非常に凝っています。あるいは動画を活用するものもあります。
こうした要素は、ユーザーの気持ちを盛り上げるための演出です。
短時間でユーザーの気持ちを引き付けるには、論理的に正しいだけでは十分ではありません。
「きれい」「かっこいい」といった感情は、理屈抜きに「この商品が欲しい」という気持ちを高めてくれます。
多くのランディングページに、美しい写真や凝ったデザイン、面白くてつい読んでしまう記事があるのはこのためです。
ランディングページ制作において一番大切なこと
ランディングページの特徴を3つ挙げました。
これらは、「シナリオ設計」「UI設計」「デザイン設計」というそれぞれ異なる制作上のポイントに対応していますが、コンバージョンという一つの目的のために有機的に絡み合っています。
しかしどの要素が一番重要かあえて問われるならば、ターゲットに響くシナリオ設計であると言いたいです。
ランディングページは単一のページであることが多いため、コーディング自体は難しいものではありません。
予算を用意し業者に依頼すれば、見栄えの良いおしゃれなページを作ることができるでしょう。
しかしある調査では、ランディングページ制作を委託した企業経営者の約6割は「デザインに満足」していると回答しましたが、他方で過半数が売上や顧客の獲得といった成果には「満足していない」と回答しました *。
この回答から、ランディングページの制作の現場ではしばしば、見栄えをよくする演出的な要素は重視されるが、一番重要なターゲットを設定しシナリオ設計する部分が軽視されがちだということがうかがえます。
しかし、演出的なデザインはどこでユーザーの気持ちを盛り上げるかといったシナリオと一体でなければ意味がありません。
商品の魅力は多面的で、また通常のページよりもデザインの自由度が高いため、ランディングページを作る目的はしばしば見失われがちかもしれません。
そういうときは、ランディングページはコンバージョンを上げるために作るのだ、ということをあらためて思い出しましょう。
* 株式会日本デザイン「2021年 EC業界のLPに対する意識調査」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000100.000039136.html (参照 2021-10-05)
おわりに
最初の問い「何のためにランディングページを作るのか?」に対して、本記事では「コンバージョンアップのため」と答えました。
ここで、ランディングページは「認知拡大」や「集客」を目的にも作られるのではないか、と考える方もいらっしゃると思います。
たしかに、「新規訪問者が最初に到達するページ」であることを思い出すと、そのように言いたくなるかもしれません。
しかし、何のために認知拡大や集客をしたいのでしょうか?
サイトのPVを増やしたり、明らかに関心のなさそうなユーザーにまで認知してもらうことは究極的な目的ではありません。
その意味で、ランディングページの目的は、究極的にはやはりコンバージョンを上げることなのです。
本記事では、ホームページとは区別されるランディングページの3つの特徴を挙げましたが、一番重要なのは「ターゲットに響くシナリオ」です。
なぜCTAボタンをその位置に設置するのか、なぜ目立つ写真が配置されるのか、といったUIやデザイン的な要素は、ターゲットをコンバージョンに導くために決定されなければなりません。
このことを忘れなければ、きっと効果の出せるランディングページになるはずです。